貴志祐介「青の炎」

倒叙ものといえばこのひとですねぇ

倒叙もの
殺人鬼と一緒になって、その世界の神のような存在としてと人々を消滅させて(殺して)いく
要するに殺人の追体験をするビデオゲームと一緒だねぇ。
だから主人公はできるだけマドキ感のある等身大の人物に近い方が感情移入しやすい
ふつーに考えたら殺人なんておおよそ不可能なキャラ!…とか関係ない
そのほうがやがて作品の中で自分(彼)が「立派な」殺人鬼として羽化できるところが楽しめる
というわけ…

この小説は、箱庭型ゲームみたいに、秀才イケメン高校生主人公が自慢の自転車(ロードレーサー)で同じところをハムスターのようにぐるぐる回って
バーボン飲んだり焼酎飲んだり変装したり…カワイ子ちゃんとエッチしたりしながら
完全犯罪を企てる…その過程と殺害を楽しむ…そんな小説。
エアロバイクを漕ぎながら読んだ。
臨場感ばっちりだったよ…

印象に残るのは湘南、自転車、ショッピング…いまどき高校生の購買力が素晴らしい
さすがにワシは家庭の事情がフツーとはだいぶ違うので、主人公に微妙に感情移入しにくかったけど。

中島敦「山月記」、漱石「こころ」の引用による
物語・主人公に深みを与えかたが秀逸…
「山月記」は殺人鬼(ケダモノ)への羽化
「こころ」は結果的に親友を殺してしまうことへのアンビバレンツと未来への予感…
すばらしい…そういうことです…

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by qsso | 2016-11-02 06:41 | つれづれ | Comments(0)
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