カテゴリ:読書( 30 )

柔らかな頬

桐野 夏生/講談社

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世界に慰藉などない。
…と頭では分かっていても、カラダが、ココロが…求めてしまう…
だから、せめてフィクションの世界ぐらいは…と、ひとはあくせくする
おもしろかった 胸糞悪かった とんでもない ありきたり…
そこで、しょうしょう救われたところで…この世に一滴の慰藉もないことは揺るがない
むしろフィクションの慰藉によって、その空白が読者を押しつぶしてしまう
この作品の登場人物たちも、その存在しない出口を世界に求めていく
いい学校に入ったら いい会社に入ったら 結婚したら 子どもができたら…
すでに騙しようがないほど 空白に圧し潰されている

救いがないことが 唯一の救い…
まるでキリストの死のように…

物語は不倫現場から緩い助走をしだすと
幼女失踪事件は藪の中…
世界が 運命が 時間が ぼくらを翻弄し 漂流する
浮標(ブイ)に近づけば 近づくほど 悪夢のような それでいて救いのような暗示がぽかんと浮かんでは消えていく
和解などない
救いようのない日本海留萌の潮風に
赤みを帯びた柔らかな頬は…
微かに笑ったような…
うぶ毛が西陽で黄金色に光った…
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ダークゾーン

貴志 祐介/祥伝社

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小説はゲームだ。
読者はゲーマー。
だから、小説家はゲーマー(読者)を、その作品(環境)の中に催眠をかけるようにいざない
そこで縦横無尽に遊ばせてくれる…
まさに読書は水槽の中の脳(パトナム) 脳の自己完結性
時を遡り、あるいは進めて、どんなものにもなれる…どんなところへも行ける…
たしかにディスプレイもコントローラーもキーボード&マウスも(ハードウェアは)ないが、脳内で行われていることはきっと一緒!? なはずである(笑)。
なので、どれだけプレイアブルな環境なのかが 面白いか 面白くないか を決める
この作品はそう割り切って、内容はほぼゲームバトル という大胆な手法で描かれている…
ミステリー要素は、物語のほんのツマ程度だと思った方がいい(もちろん、ポイントとなる切断線ではあるんだけど)
貴志ファンのなかでも好き嫌いが多少分かれるだろう。

登場人物は、いまをときめく青年棋士(もっとも主人公は三段リーグの伸び悩むプロ予備軍だけど)をとりまくひとたち中心の構成…
切り口は不条理もののように目を覚ますとチームバトル
舞台はあの軍艦島で クローズド・サークル 7番勝負がはじまる
主人公が棋士だから、将棋の擬制ゲームのような気がするが……
civilization のような League of Legends のような はたまたダークソウルのような
ものとも似てなくはない

読んでることすら忘れてしまうような文体、
つまり、自分が語っていると錯覚するような文体が、
読者をダークゾーンに降臨させる
「なにがなんだかわからないけど、とにかく敵を殺(ヤ)るしかない」

それにしても7番勝負(引き分け8番勝負)は長すぎた
三番勝負で昇格までが限界だった気がする
なので多視点で物語にも戦闘にも厚みを持たせればよかったのではないか…
とも思ったが、著者が書きたかったものがこのスタイルなのであろう…

「他人とは地獄のことだ」(サルトル「出口なし」)
僕らは他人に囲まれている
母、父、兄弟、友達、上司、同僚、お客さん、ライバル、恋人…
それはつまり「人生とは地獄のことだ」
その地獄で、たえず誰かが
「戦え。戦い続けろ。」(489頁)
と囁く…
しかも、人生は一回こっきりの一番勝負 負け惜しみも弁解もきかない やり直し無し
失敗してしまえば、
人生こそがダークゾーン 紅蓮の煉獄に反転する
必敗の屈辱が永劫回帰する
 それが人生なのだ…
 そこに意味はあるのか…?
 救いはあるのか?

今夜もダークゾーンで…救いを求める…
なつかしい人の声がする…
さぁ…行ってみよう…
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プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

万城目 学/文藝春秋

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歴史、異世界ファンタジー、ミステリー、アドヴェンチャー、コメディー、郷土愛
いろんなものをぶっ込んでくるけど、
基本はコメディー だと思う。けど…
マキメワールドというと
「どこか、新しい世界の扉がパタンと音を立てて開いたような」(522頁)
いつも見なれた日常の風景のなかにこそ異世界の扉が…みたいな…ファンタジーADV
「どうせ真っ赤なウソなら、ウソのマコトを書こう」みたいな…
シリアスじゃないから…まじめなひとには向かないと思う…たぶん(笑)

しかし、この本、キャラベースのドラマとして読んでいくと、ものすごくつまらない。
軽い調子の文体。なにを描くでもない、のらりくらりの展開…
「カタっ」と音がした瞬間に走り出すマインカートコースターのような目も眩むようなスピード感もない後半。
五百数十ページ…無駄に長い(笑)
なあんじゃぁこらぁ…
でも、読み続けられたのは、そこが「大坂」だったからかなぁ
つまり、描き出されてるのはプリンセスでもトヨトミでもない…著者の愛する故郷「大坂」だという気がする。
かつて世界最大の都市大大阪
大日本人ならぬ 大大阪人小説
大坂人テーマパーク小説 とでもいうか…
しかし、それにしても合理主義、個人主義の大阪人ファンタジーが、なぜ没個性的な大阪人ファシズムみたいなもんになってしまうんだろうか?…(はっきりいってそれはたしかに怖い…)
それが万城目ワールド
「どこか、新しい世界の扉がパタンと音を立てて開いたような」(522頁)
もうちょっとファンタジーで割り切らなあかんのやろうけど…
ジジイには無理でした(笑)。

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電波利権 (新潮新書)

池田 信夫/新潮社

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2005年 内容が古すぎる。
が、総じて良書だと思う。
じつにおもしろい。
一時間もあれば読了してしまう小著です。
メディアのことはメディアに聞いた方が一番わかりやすいはずなのに
既得権益だらけの日本のメディアでは、ほぼ逆のことが起こる。
モノカキの新聞批判はご法度…とよく聞きます(故石堂淑朗)
ごまかし、概念捏造、傲慢、粛清…
ま 人間生きてるだけでじゅうぶん既得権益ですから、しょうがないといえばしょうがないんですが
著しく公正な競争を阻害する要因になるのはやっぱまずいんですネェ
その点、池田さんも元メディアの方ですが、ずぼり!
(HDTVについて)「技術的に優位に立ちながら、標準化をめぐる戦略が稚拙で先を越されるという、おなじみの失敗を繰り返してしまった」(64頁)
(放送業界について)「そこにあるのは、「ジャーナリズム」から想像されるイメージとはかけ離れた業界体質である。むしろ土建業界のような「官公需」に依存した業界と、体質はよく似ている。」(89頁)
(放送業界について)「かつて銀行行政が「護送船団行政」として批判を浴びたが、批判を浴びせていた側の放送業界こそ、今でも残る「最後の護送船団」なのである」(47頁)
はっきりいって腐ってます。
まちがなく この国のいちばんのガン
しかも、だれからも指弾されない 
こんな系列マスコミに自浄作用を期待…なんて狂気の沙汰だってことがわかる
日本のマスコミ=特権階級

「日本でテレビ放送が始まったのは1953年。それから50年以上もたつのに、倒産も買収・合併も事実上一つもないという業界は、他にない。」(3頁)

池田氏は、
これからの電波行政は、電波法の強化ではなく、
むしろ逆に、法を緩和することによって既得権益を撤廃し、電波を政治から解放、電波の非政治化に企図すべきで、
個人・企業の新規参入を妨害するような規制撤廃、コンテンツの内容、方式規格の標準化は極力民間に任せる…
つまり、国がやるべきことは限られていて、電波の交通整理役に徹すべきだという。
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不死の宴 第一部 終戦編

栗林元/null

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著者にはamaレビュに書いてくれて云われたけど、
非才浅学、浅学無知、別段本読みでも詳しいわけでもないし、
また、書評レベルのものを書ける能力もないので、
ここで要望のようなものを記しておこうと思う。

ストーリー設定は楽しそうだし、
さらっと読めるし、
また、そこそこ面白い。

ただ、設定からすると、やっぱり残念な感じも拭えない。
圧倒的にボリューム不足という感じがするのだ…

気を衒わずオーソドックスな切り口
大戦中(後期)
諏訪湖(上諏訪)-松本ー松代 閉鎖空間
ミシャグチ神 美沙(美女)の降臨
マッドサイエンス…
瀬名の「ブレインヴァレー」を彷彿
おもしろそうな設定。
若干登場人物が多め。
そのわりにはボリューム不足。
読み終わった頃には「序章がなんだったけ」となるぐらいキャラの印象が薄い。
前半はつかみのアクションシーンだけで、あんまりドラマがないなーって印象
瀬名の「ブレインヴァレー」は結局、コップの中の嵐で終わってしまう
この作品は、史実の沖縄戦を戦い、敗戦のどさくさを生き抜くという
sf大河ロマン
ストーリーの射程はでかい
すごく期待がもてるだけに、キャラ確立にもっと時間かけてほしかった
けっこう駆け足感ですすんでしまって…
ささいな意味のないドラマの集積がキャラの多層的な味付けを、もうちょっとがんばってといいたい
モンスターはいるけどホントのモンスターがいないという味付けも、どうなんだろう?
悪魔的な対抗馬(敵役)がいないのは…やっぱ盛り上がりに欠ける(今後に期待)
前半のミシャグチのウンチク、ヴァンパイヤうんちく、それをつなげるウンチク
如月先生の科学・哲学的葛藤…マッドサイエンスな試行 美沙
この話だけでも一巻350枚ぐらい書いてもらいたいところ
いかにも面白そうな沖縄戦も、もうちょっと暴れまわるのかと思ったら、アクションシーンも少なく、あっけない…
やっぱボリューム不足。

一方、アクション&カット・インにこだわり過ぎて、ちょっと読むのがかったるくなるところがある
かえってシーンの躍動感やスピード感を損なっているんじゃないかと、個人的には感じた。
登場人物の心臓の音(アヘアヘッ)が聴こえてくるぐらいの、読んでることすら忘れさせる、リズム感やスピード感が欲しい
アクションがドラマへと昇華されていない
演劇的な情報量の非対称シーンからのアテンションの高いドラマシーンといったものがあまり見られない
個人的にはアクションからアクションへ転がっていくようなドラマ展開が見たかったので(すまん)
今回はsfの骨格である理論(うんちく)は、ほとんど出てこないが
これは今後の如月先生に期待したい…
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今度、死ぬことになった 弾射音短編集 ミステリ編

弾射音/弾射音

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はじめて読む作家さんです
よくはしりません

1 今度、死ぬことになった
2 ついさっき、人を殺してしまいました
3 ラフター
以上、三つの短編

どれもそこそこドラマがあって読ませますが、
個人的には、もうちょっと匂うような、人間的えぐ(臭)みのあるような文体が好きです。

2はツイッター小説なんですが、
ネットをよくやってるひとは、すごくいいリズムで読めると思います。
殺人ツイッタラー、デマッターが、ぐいぐいと押し込んできますネェ
3がはなしのテイストとして好みですが 1の雰囲気が好きです
ただ1は場面展開にメリハリを欠いた感じがなんか惜しいです(もう一展開ぐらいあってもよかった)。
2は栄転→パワハラ ACから鬱…的傾向がよく描けているのですが、
ちょっとはしゃぎすぎじゃぁと思いました
3はもうちょっとsfガジェットかなんかが出てくると面白かったと思います

短編ですので全体に小さな世界観小説だと思いますが、
JPOPのミスチルかコブクロかと訊かれたら
ぜったいコブクロという感じ
ですかねぇ

ちなみに僕はミスチルファンです

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JohnDarnton,Neanderthal(1996)、 嶋田 洋一 (翻訳)

ネアンデルタール

ジョン ダーントン/ソニーマガジンズ

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インディーJ風冒険譚キャラとおきまりのマドンナ、長老博士…三点セット
娯楽小説…サスペンス、裸、sex、sf・esp要素あり
ネアンデルタール(以下ND)というと、なぜか(舌骨のせいで)お決まりのテレパス
エンタメadvにありがちな、どこかまぬけなマッドサイエンティスト・老博士(恩師)の謎の失踪
この博士のガジェットが、ちょっとあざとすぎる…かも

NDとのファーストコンタクトがいいねぇ
殺害シーンの序破急…緊張感…リズム
350ページ以降のテンポがすばらしい(訳者さんがいいのかなぁ)

2グループのNDが出てきて…
主流派はルソー的ロマン主義で描かれる第一グループ
他方は、そこから排除された異端・異形のもので形成される第二グループ…
僻地、異端ゆえに生まれた統率力、計画力、工業力…などが発達・先鋭化
主流派(ルソーグループ)より一段上の社会的発達が描かれている
彼ら冒険者が迷い込んだのは、ふたつのNDたちのその革命前夜
ルソー的ロマン主義の第一グループが工業力(文明)の第二(異端)グループに覇権を奪われる
そんな革命前夜

本書は、娯楽小説ではあるが
NDが滅亡し、なぜHSS(人間)が生き延びたか…
つまり、NDとHSSを決定的に分けた知性の分岐点はどこか?…
それが本書の大きなテーマである…
人類学的には、NDとHSSは同じくらい知性を有していたといわれる。
HSSと同じように道具も使えたし、死者に対する儀式を行った形跡もある。
では、HSS特有の知性とはなんだろうか?…
本書は、その謎を追って、楽しく冒険していく…
そして彼らが艱難辛苦の上たどり着いた答えが…「欺瞞」であった…
たぶん、動物行動学かなんかの言葉であろうか?
デネットとかに出てくる戦略/戦術の「あれ」である…
それがNDとHSSを決定的に分けたというのである…
現在の日本語のニュアンスとしては非常にわかりにくい…
ネット辞典にあるように、最近は「国民を欺瞞する」と言ってもわかりにくい
ここでは謀(はかりごと)をする知恵。謀殺、奸計…(ちなみに日本の歴史は、そういう物の宝庫である)
であろうか…

そう考えると人間社会とは つまり、法、政治、経済、学問、芸術…などは、
他個体に対する欺瞞と自己欺瞞が高度に結びつことによって成立している…
まさに人間の類的な本質は労働ではなく「欺瞞」なのだ。

人間社会は、たえず欺瞞が欺瞞を生み出し続ける…

こういった知性の切り分けが適切かどうか(自己言及性)…しりません…
…とりあえず、このへんで…娯楽小説としてフツーに読めます…

※あとちょっと最後に引用と蛇足
「儀式的な行動は狂気を遠ざけると同時に、狂気を呼び込むものでもあるのだ。そこには狂的なエネルギーしか残されていない。それが唯一残った合理性ー非合理性反応なのだ」(381頁)
この文を読んだとき、イチローの打席に入る前のルーティンを思い出した。
相手を自分の狂気に呼び込み、テリトリーに入ってきた獲物に向かって狂的なエネルギーを一気に繰り出すイチローを…

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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

沼田まほかる/幻冬舎

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沼田まほかる さんの作品
はじめて読みました

アクション描写が致命的に下手以外は
間違いなく 傑作ですネェ
あっという間に読んじゃいました
ケータイを持った「砂の女」
自我肥大したヒッキーな心の「山椒魚」

陣治は十和子にファムファタル
十和子は黒崎=水島にオムファタル
両方一気楽しんじゃえっって感じで最後まであきません


読者&著者皆さんには失礼ですが(主人公・十和子の内縁の夫の)陣治が、僕の父に思えてなりませんでした。
父が母と出会ったのは、母が15歳。家出少女でした。
夜の盛り場で出会ったそうです。
生活力がなかった二人は、すぐに実家に転がり込みますが
所帯をもった当初から母は隣近所の複数の男性と関係をもっては蒸発、
それを父が探し出しては、また他の男性と関係、蒸発、捜索の繰り返し…
僕が中二のころ(もう実家からも追い出されある地方都市にいた)、ちょうど母が連れ戻されて1か月ぐらい
夜、母は家の近くで男に刺されました。
もちろん刺したのは母の不倫相手で…勝手にじぶんだけ元の鞘に戻ってしまったことを…恨んだのでしょう?
警察が着て、男の行方を追ったけど、次の日の早朝、駅で飛び降り自殺。
ところが、ここで一ミリも改心しないのが母…
退院して1か月もしないうちに、家の有り金持って蒸発。
今度はヤクザもんらしい…
ある日、新聞配達から帰ると家にヤクザ風のニイさんが…
父親となんか話していました
要は
「わしは**組のYというもんや
オンナ(母)の居場所を知っている…教えてほしかったら100万円…」
もちろん家にカネはない。父はそれでもそのヤクザの知り合いとやらの闇金で30万円(それ以上はさすがに借りられなかったらしい(笑))を工面
待ち合わせの店でカネを渡して「ちょっとそこで待ってて」と言ったままドロン。
どうやら母とグルだったらしい…
それから一か月ぐらいたって
またヤクザが家に来た…前回のニイさんより、もうちょっと歳をとって堂々としていました。
本物の**組のYでした。
どうやら前に来た若造はチンピラで、このニイさんの名前を騙って他の所でもなんかやらかしたみたいでした…
いろいろ話したあとに…
「もうあんたはかかわらんほうがいい…」
と父にそう言い残すと、帰りしなに…
なぜか僕を呼び寄せて5千円くれたことを覚えています
見るも凄惨なぼろぼろ家、なかは荒れ放題 4兄弟 不憫に思ったのかもしれない
しかし…父はそれ以降も、母を探すのをやめませんでした…家族崩壊…

「夥しい死が充満するこの惑星自体、要するに、ひとつの膨大なタッキリ・マカン、出口のない、逃れられない、無限の死滅の砂漠だといえないだろうか?」

死という出口(深淵)を選んだ彼(陣治)も、この惑星の中で、どうせ転生してしまうのでしょう。
探し続けた僕の父も…また逃れられない無限の砂漠に…

この作品をしてイヤミスというジャンルらしいが…
僕には、むしろ爽快感だけが残った
無限の砂漠は、けっきょく無限の愛なのだろう
逃れられない地獄の中で…読者はいったい何を見るだろうか…

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官僚の反逆 (幻冬舎新書)

中野 剛志/幻冬舎

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いままさに
安倍政権を揺るがせているのは
政治主導に端を発する内閣人事局の発足に伴う、
官僚の怨嗟憤懣
官僚の反逆のとき ???

それにしても官僚の力を弱めようとした古賀さんが…逆襲?
逆襲されるならわからるけど…(笑)

本の内容はオルテガ(大衆批判)とウェーバー(官僚化)を軸に
米国を中心に、最近の経済思想史を軽くなぞっただけものかなぁ

官僚化-非人間化、画一化、グローバル…
ま 要するにアメリカニズムに対する怨嗟
ま ものすご~くどうでもいいことに難癖をつけてるだけのような気が…する本ですが


中野さんの考え方に根本的なところで違和感を感じるのは、
やっぱり日本人的秀才の生真面目さというか…
ひとつのミスもゆるさん みたいなところだろうか?
米国のミスを後出しじゃんけんであげつらうのはいいんですが…

ぼくはこう思うんです…
「間違わないひとはいない」

中野さんはあたまがよすぎるんでしょう
民主主義やリベラリズムって 基本バカがする政治なんです
バカに合わせるのが民主主義
だれもオルテガの立ち位置でバカにバカといえる資格のあるひとはいません
間違いが起こったら、その都度
バカ同士話し合いして、かえればいい
「だいたいそこらへん」の政治
官僚化を非人間化とみるか、こういったバカ化の政治だとみるかの差だと思いますヨ
(経済思想史的には(あんまりよく知らんけど)新古典派のなかに社会主義(計画経済)的な人間観をみるのか はたまたハイエクの「自由主義」 …自生的秩序をみるのか…そこらの差かなぁ)

じゃなんでバカに合わせるかというと
中野さんもおっしゃるように
「政治はつねに不確実性のなかのジツゾン的決断(暗闇への飛翔、盲目的試行などなど…)」
そういうことですねぇ。
そういったジツゾン的世界、あるいはそういった未来に対する「決断」みたいなもんには専門的知識が成り立たない
(しっかりとした目的があるときには専門的知識は成り立ちますが、これからどの目標にすべきかという専門的知識は成り立ちません(だからみんな細木数子さんのところに行くんでしょう(笑))このことについては土屋賢二「哲学を疑え!」p.74-5を参照のこと2のタイプの悩み)
そういう不確実性(暗闇)の中では秀才もバカもイッショということになります。
(むかしからそういうことを瓢箪から駒とか…バタフライ・エフェクトとか…人間万事塞翁が馬とか…我が国の敗戦から繁栄とか…ありますねぇ)
アメリカの後追いするしかない日本国で、後出しじゃんけんで批判するほどアホでヤボなことはありません。
世界経済も前述した不確実性の決断の連続であって、
いわば、そういう過酷なゲームを24時間やり続けなければ死んでしまうようなジャンキー的状況…
Velocity of Money そのhddとなってぶんまわし続けるのが米国の役目なんですから…
「文句があるならオメエがぶん回してみろよ!」=アメリカへの挑戦ってことになりかねません
多少の不具合はしょうがないとして、そのつどそのつど暫定的に修繕するしかないというのが、後追い属国の日本の立場では…?

併せて読んでもらうと…
橋本治「国家を考えてみよう」 : すさまじきものにして見る人もなきブログ!

哲学を疑え!笑う哲学往復書簡

土屋 賢二 石原 壮一郎飛鳥新社

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ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)

池田 信夫/PHP研究所

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

福岡 伸一/講談社

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科学(分子生物学)を
犯人 被害者 殺人計画… 
ミステリーの倒叙ものタッチで描く…
スリルと興奮

背景描写がロードムービーみたいに再生したり、巻き戻したり、早送りしたり、また戻ったり、スローモーション
視覚的に訴えかける文体がすごい
まるで現場からルポルタージュしてるような ジャーナリスティック

科学の本というよりミステリー
文字通り「あいだ」における人々のストーリー。

社会人 科学には 興味あるけど 難しいことはわかんない ひと向け
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