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今度、死ぬことになった 弾射音短編集 ミステリ編

弾射音/弾射音

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はじめて読む作家さんです
よくはしりません

1 今度、死ぬことになった
2 ついさっき、人を殺してしまいました
3 ラフター
以上、三つの短編

どれもそこそこドラマがあって読ませますが、
個人的には、もうちょっと匂うような、人間的えぐ(臭)みのあるような文体が好きです。

2はツイッター小説なんですが、
ネットをよくやってるひとは、すごくいいリズムで読めると思います。
殺人ツイッタラー、デマッターが、ぐいぐいと押し込んできますネェ
3がはなしのテイストとして好みですが 1の雰囲気が好きです
ただ1は場面展開にメリハリを欠いた感じがなんか惜しいです(もう一展開ぐらいあってもよかった)。
2は栄転→パワハラ ACから鬱…的傾向がよく描けているのですが、
ちょっとはしゃぎすぎじゃぁと思いました
3はもうちょっとsfガジェットかなんかが出てくると面白かったと思います

短編ですので全体に小さな世界観小説だと思いますが、
JPOPのミスチルかコブクロかと訊かれたら
ぜったいコブクロという感じ
ですかねぇ

ちなみに僕はミスチルファンです

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すさまじきものにして見る人もなきブログ!
中野さんはあたまがよすぎるんでしょう
民主主義やリベラリズムって 基本バカがする政治なんです
バカに合わせるのが民主主義
だれもオルテガの立ち位置でバカにバカといえる資格のあるひとはいません
間違いが起こったら、その都度
バカ同士話し合いして、かえればいい
「だいたいそこらへん」の政治
官僚化を非人間化とみるか、こういったバカ化の政治だとみるかの差だと思いますヨ

「バカ化の政治」
だというとみんな身構えますが
ロールズに「無知のヴェール」というのがありますが
あれに似たようなもんです…(笑)

ソクラテスも「無知の知」というからいけないんです
どうせプラトンの創作でしょうけが 
賢人(哲人)政治を目指すプラトンはソクラテスを殺した民主主義(多数主義)を否定して、無知の知なんていう屁理屈を拵えて…
なにがなんでもソクラテスを英雄にしたかったんでしょう
だってソクラテスと批判された人たちは、同じように無知(バカ)だというだけでしょう?
自分がバカであることを悟ったからってそんなに偉いんですか?
目くそ鼻くそです
人間は「みんな不完全でバカであることを知った」だけじゃないですか?
本来なら賢人政治の根幹を揺るがしかねません

プラトンのように他人の頭押さえつけて頭一つ出す方法じゃなくて
自分がバカだと知ることは謙虚さにつながりますから、
少数意見を取り入れやすい態度になりますネェ
バカ同士だと「バカだから認められない」なんてこともありません
ロールズの無知のヴェールは社会的弱者になって考えるんですが
ソクラテスのヴェールは「バカ」になって考えます…
それこそ無知の知…じゃないかと…(笑)
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JohnDarnton,Neanderthal(1996)、 嶋田 洋一 (翻訳)

ネアンデルタール

ジョン ダーントン/ソニーマガジンズ

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インディーJ風冒険譚キャラとおきまりのマドンナ、長老博士…三点セット
娯楽小説…サスペンス、裸、sex、sf・esp要素あり
ネアンデルタール(以下ND)というと、なぜか(舌骨のせいで)お決まりのテレパス
エンタメadvにありがちな、どこかまぬけなマッドサイエンティスト・老博士(恩師)の謎の失踪
この博士のガジェットが、ちょっとあざとすぎる…かも

NDとのファーストコンタクトがいいねぇ
殺害シーンの序破急…緊張感…リズム
350ページ以降のテンポがすばらしい(訳者さんがいいのかなぁ)

2グループのNDが出てきて…
主流派はルソー的ロマン主義で描かれる第一グループ
他方は、そこから排除された異端・異形のもので形成される第二グループ…
僻地、異端ゆえに生まれた統率力、計画力、工業力…などが発達・先鋭化
主流派(ルソーグループ)より一段上の社会的発達が描かれている
彼ら冒険者が迷い込んだのは、ふたつのNDたちのその革命前夜

本書は、娯楽小説ではあるが
NDが滅亡し、なぜHSS(人間)が生き延びたか…
つまり、NDとHSSを決定的に分けた知性の分岐点はどこか?…
それが本書の大きなテーマである…
人類学的には、NDとHSSは同じくらい知性を有していたといわれる。
HSSと同じように道具も使えたし、死者に対する儀式を行った形跡もある。
では、HSS特有の知性とはなんだろうか?…
本書は、その謎を追って、楽しく冒険していく…
そして彼らが艱難辛苦の上たどり着いた答えが…「欺瞞」であった…
たぶん、動物行動学かなんかの言葉であろうか?
デネットとかに出てくる戦略/戦術の「あれ」である…
それがNDとHSSを決定的に分けたというのである…
現在の日本語のニュアンスとしては非常にわかりにくい…
ネット辞典にあるように、最近は「国民を欺瞞する」と言ってもわかりにくい
ここでは謀(はかりごと)をする知恵。謀殺、奸計…(ちなみに日本の歴史は、そういう物の宝庫である)
であろうか…

そう考えると人間社会とは つまり、法、政治、経済、学問、芸術…などは、
他個体に対する欺瞞と自己欺瞞が高度に結びつことによって成立している…
まさに人間の類的な本質は労働ではなく「欺瞞」なのだ。

人間社会は、たえず欺瞞が欺瞞を生み出し続ける…

こういった知性の切り分けが適切かどうか(自己言及性)…しりません…
…とりあえず、このへんで…娯楽小説としてフツーに読めます…

※あとちょっと最後に引用と蛇足
「儀式的な行動は狂気を遠ざけると同時に、狂気を呼び込むものでもあるのだ。そこには狂的なエネルギーしか残されていない。それが唯一残った合理性ー非合理性反応なのだ」(381頁)
この文を読んだとき、イチローの打席に入る前のルーティンを思い出した。
相手を自分の狂気に呼び込み、テリトリーに入ってきた獲物に向かって狂的なエネルギーを一気に繰り出すイチローを…

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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

沼田まほかる/幻冬舎

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沼田まほかる さんの作品
はじめて読みました

アクション描写が致命的に下手以外は
間違いなく 傑作ですネェ
あっという間に読んじゃいました
ケータイを持った「砂の女」
自我肥大したヒッキーな「山椒魚」

陣治は十和子にファムファタル
十和子は黒崎=水島にオムファタル
両方一気楽しんじゃえっって感じで最後まであきません


読者&著者皆さんには失礼ですが(主人公・十和子の内縁の夫の)陣治が、僕の父に思えてなりませんでした。
父が母と出会ったのは、母が15歳。家出少女でした。
夜の盛り場で出会ったそうです。
生活力がなかった二人は、すぐに実家に転がり込みますが
所帯をもった当初から母は隣近所の複数の男性と関係をもっては蒸発、
それを父が探し出しては、また他の男性と関係、蒸発、捜索の繰り返し…
僕が中二のころ(もう実家からも追い出されある地方都市にいた)、ちょうど母が連れ戻されて1か月ぐらい
夜、母は家の近くで男に刺されました。
もちろん刺したのは母の不倫相手で…勝手にじぶんだけ元の鞘に戻ってしまったことを…恨んだのでしょう?
警察が着て、男の行方を追ったけど、次の日の早朝、駅で飛び降り自殺。
ところが、ここで一ミリも改心しないのが母…
退院して1か月もしないうちに、家の有り金持って蒸発。
今度はヤクザもんらしい…
ある日、新聞配達から帰ると家にヤクザ風のニイさんが…
父親となんか話していました
要は
「わしは**組のYというもんや
オンナ(母)の居場所を知っている…教えてほしかったら100万円…」
もちろん家にカネはない。父はそれでもそのヤクザの知り合いとやらの闇金で30万円(それ以上はさすがに借りられなかったらしい(笑))を工面
待ち合わせの店でカネを渡して「ちょっとそこで待ってて」と言ったままドロン。
どうやら母とグルだったらしい…
それから一か月ぐらいたって
またヤクザが家に来た…前回のニイさんより、もうちょっと歳をとって堂々としていました。
本物の**組のYでした。
どうやら前に来た若造はチンピラで、このニイさんの名前を騙って他の所でもなんかやらかしたみたいでした…
いろいろ話したあとに…
「もうあんたはかかわらんほうがいい…」
と父にそう言い残すと、帰りしなに…
なぜか僕を呼び寄せて5千円くれたことを覚えています
見るも凄惨なぼろぼろ家、なかは荒れ放題 4兄弟 不憫に思ったのかもしれない
しかし…父はそれ以降も、母を探すのをやめませんでした…家族崩壊…

「夥しい死が充満するこの惑星自体、要するに、ひとつの膨大なタッキリ・マカン、出口のない、逃れられない、無限の死滅の砂漠だといえないだろうか?」

死という出口(深淵)を選んだ彼(陣治)も、この惑星の中で、どうせ転生してしまうのでしょう。
探し続けた僕の父も…また逃れられない無限の砂漠に…

この作品をしてイヤミスというジャンルらしいが…
僕には、むしろ爽快感だけが残った
無限の砂漠は、けっきょく無限の愛なのだろう
逃れられない地獄の中で…読者はいったい何を見るだろうか…

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官僚の反逆 (幻冬舎新書)

中野 剛志/幻冬舎

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いままさに
安倍政権を揺るがせているのは
政治主導に端を発する内閣人事局の発足に伴う、
官僚の怨嗟憤懣
官僚の反逆のとき ???

それにしても官僚の力を弱めようとした古賀さんが…逆襲?
逆襲されるならわからるけど…(笑)

本の内容はオルテガ(大衆批判)とウェーバー(官僚化)を軸に
米国を中心に、最近の経済思想史を軽くなぞっただけものかなぁ

官僚化-非人間化、画一化、グローバル…
ま 要するにアメリカニズムに対する怨嗟
ま ものすご~くどうでもいいことに難癖をつけてるだけのような気が…する本ですが


中野さんの考え方に根本的なところで違和感を感じるのは、
やっぱり日本人的秀才の生真面目さというか…
ひとつのミスもゆるさん みたいなところだろうか?
米国のミスを後出しじゃんけんであげつらうのはいいんですが…

ぼくはこう思うんです…
「間違わないひとはいない」

中野さんはあたまがよすぎるんでしょう
民主主義やリベラリズムって 基本バカがする政治なんです
バカに合わせるのが民主主義
だれもオルテガの立ち位置でバカにバカといえる資格のあるひとはいません
間違いが起こったら、その都度
バカ同士話し合いして、かえればいい
「だいたいそこらへん」の政治
官僚化を非人間化とみるか、こういったバカ化の政治だとみるかの差だと思いますヨ
(経済思想史的には(あんまりよく知らんけど)新古典派のなかに社会主義(計画経済)的な人間観をみるのか はたまたハイエクの「自由主義」 …自生的秩序をみるのか…そこらの差かなぁ)

じゃなんでバカに合わせるかというと
中野さんもおっしゃるように
「政治はつねに不確実性のなかのジツゾン的決断(暗闇への飛翔、盲目的試行などなど…)」
そういうことですねぇ。
そういったジツゾン的世界、あるいはそういった未来に対する「決断」みたいなもんには専門的知識が成り立たない
(しっかりとした目的があるときには専門的知識は成り立ちますが、これからどの目標にすべきかという専門的知識は成り立ちません(だからみんな細木数子さんのところに行くんでしょう(笑))このことについては土屋賢二「哲学を疑え!」p.74-5を参照のこと2のタイプの悩み)
そういう不確実性(暗闇)の中では秀才もバカもイッショということになります。
(むかしからそういうことを瓢箪から駒とか…バタフライ・エフェクトとか…人間万事塞翁が馬とか…我が国の敗戦から繁栄とか…ありますねぇ)
アメリカの後追いするしかない日本国で、後出しじゃんけんで批判するほどアホでヤボなことはありません。
世界経済も前述した不確実性の決断の連続であって、
いわば、そういう過酷なゲームを24時間やり続けなければ死んでしまうようなジャンキー的状況…
Velocity of Money そのhddとなってぶんまわし続けるのが米国の役目なんですから…
「文句があるならオメエがぶん回してみろよ!」=アメリカへの挑戦ってことになりかねません
多少の不具合はしょうがないとして、そのつどそのつど暫定的に修繕するしかないというのが、後追い属国の日本の立場では…?

併せて読んでもらうと…
橋本治「国家を考えてみよう」 : すさまじきものにして見る人もなきブログ!

哲学を疑え!笑う哲学往復書簡

土屋 賢二 石原 壮一郎飛鳥新社

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ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)

池田 信夫/PHP研究所

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