宇宙の孤児 (1965年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)

ロバート・A.ハインライン/早川書房

undefined

(現在16/12/03 07:18グーテンベルグ21のamazon unlimited版あり)

映画「スノーピアサー」のような、巨匠の閉鎖ものアクション。
テンポもよくすらすら読める…
作品テーマは「洞窟のイドラ」的で単純だが、
閉鎖空間(宇宙船)とミュータントのアンクルサム的なナイスキャラが、
いい暑苦しさを醸し出している…
fo3序盤みたいな追放あり、反乱あり…脱出…のドラマ展開
ほどよい大きさのガジェット(宇宙船=難破船)がいいねぇ
あきさせない 一気に読了

いまも人類は「宇宙の孤児」だけど、
男子なら、そういう一生送ってみたかったなぁって思う…
いまのヘイワな人生と地球に感謝!



洞窟の比喩的展開のSFは多いけど
わけてもマイケル・ベイのアイランド The Island(2005)
ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンはよかったなぁ

でもさいごのラストシーンは、あまりにもズボリすぎて…

[PR]

大東亜戦争、こうすれば勝てた (講談社プラスアルファ文庫)

小室 直樹,日下 公人/講談社

undefined

「国家が国民を信じないから日本は弱い」(日下公人)
「特攻攻撃の情けないところは…
…日本軍隊の致命的な欠陥がある。それは何かというと、要するに、兵隊を信用していないということで、「もし爆弾を落として帰ってきていいということにしておいたら、みんな大した攻撃もしないで帰ってくるんじゃないか」という国民不信の思想だった。
 なんでそうなっちゃうかというと、その根本は民主主義国家じゃないからで、「戦争目的について国民の合意を得ていたい」と、戦争指導者自身がそう思っているんですよ。これは決定的に重要なことです。国家が国民を信じてないんだから、日本は根本的に弱いんです。上の人たちは、自分たちが勝手に戦争を始めたから、下が本当についてくるかどうか心配なんだ。アメリカとは、そこが違うんです。
…そうですとも。兵隊に降伏を許さなかったのも、弱さのあらわれですね。降伏病が伝染すると思っていたからです…」(348-50頁)日下公人
決定的に、いまもそれは変わっていない…というのが日下公人さんの主張

[PR]

「火星の人」でいいだろ
例によって、やらかし邦題

ネット上で有名になったひと
Andy Weir
しかし、原作は読まなかったなぁ…

映画いいねぇ…
とにかく絵がキレイだ。
船内・船外の無重力表現も秀逸
ラストの船外は芸術性高い

孤独、火星、閉鎖空間…植物学者、サバイバル
ドラマはサバイバルメインです
サバイバルも変に重苦しくなく、じゃがりこ食ってでも4年間生き延びます(笑)…
みたいな悲喜交々なヒューモアタッチです(コメディと揶揄する人もいるけど)
昭和のジジイしては、
寂寥とした火星(閉鎖空間)の風景にボッチっていうだけでオトコのロマンで胸アツ

Sean Bean に Chiwetel Ejiofor と
有名どころの人も脇役としてビミョーに頑張ってるけど…
やっぱ Matt Damon の映画って感はあるし…
重いテーマのsfというよりも、エンターテイメント重視のsfって感は否めない

ワシは…救いようない(滅び系)エンディングが好きな方だけど
これはこれで…といいたいところだけど
エンディングの説教シーンはすべてがだいなしになるぐらい糞蛇足すぎ。
絶対に要らない!
船外の抱き合ったシーンで終わるべきだった…

[PR]

パーク・ライフ

吉田 修一/文藝春秋

undefined

単行本「パークライフ」に所収の短編。

ものすごく入り込みやすい。
こんなに簡単に読者を「催眠」にかける書き手もめずらしい。

ある事情から結婚して間もなく九州から東京へ移住就職した若い男性の物語。
ブンガク青年然とした大卒ニイちゃんの「パークライフ」とはうって変わって、
…いわゆる男の単純肉体労働の(ほぼ)ブラックな会社を舞台にし、
主人公のキャラはイナカ、素直従順、低学歴、筋肉、ちょっと骨太な感じの…
ガテン系アンちゃん…そういう方面のひとは…
感情移入がしやすいと思う。

そんなクリエイティビティとはまったく縁のないささくれだった世界で
男たちは…生け花を「生ける」
「花の数だけ、人には感情がある」(p.131)

濡れた墓石、
台風、
飛び散った花びら
…祖母の死

切り取って
刺して
…砕け散っていく
我流の生け花…
なにをどうしたらいいのか…だれも知らない…
そんなオトコたちのカレイドスコープ…

[PR]

超人の哲学 (講談社現代新書)

田原 八郎/講談社

undefined

「異能の血のたぎりは、自らに我慢を強制しない。彼にとってのしごとは、異能の自然的衝動に忠実であることしかない。これは、我慢とか遊びとかいう文化的なことがらではなく、もはや自然的なことがらと言うべきであろう。」(193頁)
もう何十年も前ではあるが
後に世界GPに行った辻村猛君が、まだミニバイク時代、レース中、後ろについて走ったことがある。
一周走っただけで、天才だと思った。
メインストーレート(最高速)からの奥の深い右複合、1cノーブレ高速から2cから3cと引きずりながらの深いブレーキング→フルバンク、
ノーブレからのするどいs字の切りかえし、最終ヘヤピンのライン取り…
まえにいる彼(少年)の、なんと軽やかなことか…
「風」…そう思った…まさに「自然的なことがらと言うべき」走りだった。
自然から祝福されている走り
それに比べると、凡庸なオレの走りは人間が苦労しながら必死で走っている。
我慢と強制…自然さがまったくない…
だけど オレは 「こんな小僧に負けてたまるか!」
ひっしで3周ぐらいくらいついていった
メインストレートから1c2c3cブレーキング・フルバン
「抜いてやる」
と思った瞬間…
フロントがなくなった
からだがクラッシュパッドのすきまにジャストにはさまって
息ができなくてくるしかった…
ちょっと思い出した…

[PR]