笑う月 (新潮文庫)

安部 公房/新潮社

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全17の掌編集である
すべては受動的な夢である
どんな主体的な発言も、どんな能動的行動も…すべて受動的に上映されている「世界-私」─運命(さだめ)という夢なのである
夢─私─世界─現実が、一次二次三次、多次元…複雑に陥入して、こんがらがって「猛烈な回転」して内破していく夢─世界を…「私」は、ただ受動的に受け入れるしかない…
やがてそれは、なんの痕跡も残さず…ぽっかりと消えるであろう
それでよし

ボクも幼少期からいまに至るまで不眠症に近い体質であり、
時折、夢かうつつかわらかぬ…浅い夢に苦しめられる…
浅い夢ほどたちが悪い
夢の中で夢を見る…その夢を見る…というふうに無限後退していく
夢なのか現実なのか…どこまでが夢で、どこから現実だったのか…
もういまはわからない。そのまま…生きている…(最近は生きている事実を疑問に思っている)

今朝も異常な動悸、汗、頭が痛くなるほどの高血圧…嘔吐…のなか目が醒めた
まだ暗かった…
そして…
ふと窓をみると月がこちらを見て冷たく笑っているのだ…
「白昼の意識は、しばしば夢の論理以上に、独断と偏見にみちている」(たとえばタブの研究)

「だから忠告して差し上げているんです。あまり大げさに考えすぎると、収拾がつかなくなる。最初はちょっぴりした違和感でも、その亀裂が日を追って深くなり、あなたの日常感覚を狂わしてしまう。他人との間に溝ができる。人間関係が崩壊していく、ついには生きていること自体に、なじめなくってしまう。」(空飛ぶ男)

「落伍者というのは、他人の孤独を、アンテナみたいに敏感に感じてしまうやつなんです。残酷なふりをするんですよ。それがせめてもの罪ほろぼしなんですよ…」(発想の種子)

「マニヤがカメラに求めているのは、単なる実用主義的な現実ではなく、むしろ空想なのである。…
…カメラが本来もっているはずの、現実志向を逆手にとり、結果を無視することで、現実を拒絶しようとしているのかもしれないのである」(アリスのカメラ)

「…たとえば、ゴミである。なぜかぼくはゴミにひきつけられる。あるいは、ゴミを捨ててある場所にひきつけられる…」
「とにかくぼくは、ゴミにひかれる。廃物や廃人との出会いが、何よりもぼくを触発する…「有用性」が「廃物」に負けることはありえても、「廃物」が「有用性」に屈服することはまず不可能だろう」
(シャボン玉の皮)
月は機械系ギャグ 猛烈な回転 そして…というふうに…




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「普通、物と関係する場を物と並行する方策が取られる。たとえば、原子論における空虚がその例である、だが、そうなると、物とは独立に存在する場は物とどういう関係にあるか、その存在性格が曖昧なままになる。そこで、思い切って物より物の関係を優先させる関係説が唱えられるが、関係は、あくまでも、物の関係であるから、関係とは何ぞやということになると、再び、物に帰られなければならなくなる。かといって、物を捨てて事に徹する道を進むならば、合理性の元となる自己同一者がそこにはないから学問が成り立たない。関係説は、現実としての事そのものを基礎を置こうとする志向と、合理的学問たらんとする思考の不安定な混交である。四次元多様体を使う方法は、この点、自己同一者とその総体的場を同時に供給する巧妙な方法である。」
「物理学は四次元多様体を書き込む際の文法を研究するのであって、事の世界を直接表現するのではない。これを忘れると物理的世界は実在するのか否かという生産的でない議論が生ずることになる。たとえば、物理学は、「放物線を描いて運動する石」を表現するが、「石が放物線を描いて運動するコト」を表現しない。物が運動するコトは日常言語によってしか語ることはできないのである。運動を表す式は、時間点と空間点の対応関係を限定しているのみであり、それは出来事に毫も言及していない。」(115頁)雨宮民雄「数学と質料」現代思想vol.25-9

「物体の質量はどのように知られるか。マッハの答えは、物体間の相互作用による速度の変化、つまり加速度を測定することによって、となる。では速度はどのように測るか。もちろん距離の変化だから、このようにして距離という基本量の測定に帰着する。では、時間はどうか。これは後に再論するつもりだが、図35に示したように、力学法則(配置の変化の法則)をまず確立すれば、それに基づいて時間は再構成できるというのがシナリオである。マッハの次の言葉を想起しよう──「物事の変化を時間によって測ることなど、まったくわれわれの能力を超えている、これとは逆に、時間とは、われわれが事物の変化を通じて引き出した抽象である」。これから具体的な指針を読みとるためには、投射体の運動を考えてみればよい。
図36を見ればわかるとおり、水平方向の慣性運動が時間を図る「時計」の役割をしているのである。慣性運動は「位置の一様な変化」だから、その一様な変化に即して他の変化(自由落下)の割合が測れる。そうすると、慣性運動での変化が同じベースで増えるのに対して、自由落下での変化は1、4、9、16という比率で増えていく(最初の落下距離を1とする)。これを的確に表現する手段が「落下距離は時間の2乗に比例する」という、時間を入れた表現になったわけである。」
(138-9頁)内井惣七「空間の謎・時間の謎」
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現代思想1997年8月号 特集=二〇世紀の数学

青土社

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リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)

小幡績/ディスカヴァー・トゥエンティワン

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途中でうざくなってきて読むのやめた…(kindle owner's library)
なんでこの手の本は、こんなにつまらないのだろう…

リフレもデフレもヤバいといえば、ヤバい。
昭和の高度成長期(所得倍増論 列島改造…)ですらヤバいと言えばヤバかった
国のやることなんか、フツーのひとにはだれもできないことなんだから…
なんだってヤバいといえばヤバい。

だいたい経済政策なんか一種のババ抜きみたいなもんで
国民の誰かにババつかませて、
他の国民はイチ抜けして、成長するわけである

あの昭和の高度成長期すらそうなんだから
どっちにしたって誰かがババを引くのはしょうがないのである。
しょうがないしょうがないといってもしょうがないから
ババを引いたやつをすみやかに退場(転換)させ、かつババをいかに最小限にするかが
政治である。

いまはあのころとは違い、高度情報化社会で、政府が政策を打ち出すと施行前から多数の専門家やマスコミが、誰が損して誰が得するか(誰を間引かれて、誰を生き残れるか)喧伝する…ので、
すぐにわかってしまう
あれもダメ これもダメ あいつはバカ こいつは気持ち悪い…etc
絶対の法則探しが始まる
だけど世界に万能な真理・法則がないように
万能な政策もない
ぜったいはないのである
万能・絶対を自称した社会&共産主義は敗れ去った

なのに、政治経済のハナシになると、
とたんに大昔の哲学者みたいに頭でっかちの「真理」主義に陥る人がいる。
この窮地を救う絶対の法則(イデア)があるかのような幻想を持って、
流行りもんの経済学者にとびついて、そいつを神にしてゴタク並べ立てて、あれがダメ、これがダメ…
…その繰り返しを何十年見ていることか…
そういうひとがあまりにも多い…

未来のことは、ノーベル経済学者だろうがアインシュタインだろうが、そこらへんの凡人だろうが同じ…
分からないものは分からないのである…
測定や観測が、いくら進歩しても
明日が、どうなるかじぶんのことすらだれも知らない
まして、あした、誰を間引いて、誰を残すか? 知るわけもない…
だれもかれもうまくいくような真理(理論)は存在しないのである…
わかりきってる。

はじめに戻ると、未来(明日)のことは分からないから、
しょうがないしょうがないといってもしょうがないから、
人類は政治的決着というものを図るのです。
政治というものは未来についての決断である。
われわれは政治家(代表者)の名において、盲目(ジツゾン)的な試行をするしかない…
政治は盲目的な試行でしかないなら、付託した国民は、その政治家を信用するしかない
道理ではあるが、すべてが理屈じゃない
つまり、専門家じゃない(あるいは自ら声を上げることができない)一般市民ができることは、
政治が人類の盲目的試行でしかない要諦(諦念)すること、
付託した政治家を信用すること。
この二つだけであろうと思われる(民主主義・リベラルの設定って、みんながそれぐらい平等にバカってところが要諦(井上達夫?))…
信用に値する人間を選挙で選ぶ必要がる
すべての責任は国民にある(笑)

世界は開かれているから、ぜったいはない
やってみなくちゃわからないのである
どんな愚策も……
人間万事塞翁が馬っていうことがある…
(たとえば日本にとっての第二次世界大戦とか)…





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もうお腹いっぱい感のFF風ホラー
新婚、ハネムーン、妊娠…一変 おなじみ
面白いと感じはなかったけど…
大人になった Allison Miller のせいでさいごまでみちゃったなぁ(笑)
いくぞいくぞと見せかけていかないという手法は…よかったけど
さいごの…あばれぐあいまで豆1つ程度で終わってしまったのが…かえすがえすも残念!
物語というのが、ほぼないのはいいけど、
せめてサマンサのくだりぐらいは、ちゃんとやってほしかったなぁ

小品ホラー

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UNFINISHED BUSINESS

ワンコイン食い邦題

いわゆる Vince Vaughn のコメディドラマ

(ちなみにTRUE DETECTIVE LOS の Vince Vaughn はよかったねぇ)


James Francoの弟の
Dave Franco が兄とはぜんぜんちがったフシギ魅力

ハナシもオチもあったもんじゃないぐらい月並みだが
それなりの安定のおもしろさ

ひまつぶしの小品


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